***前説***
夢があった。
純粋ではないにしろ、きっとなれると思っていた・・そんな青春の日々。
「傘張りの記」はぼくにとってはとても大切なシナリオだった。何回も応募した作品の中で、初めて主人公が喋り、動き、笑い、そして泣いたシナリオだった。
それが出来ずに、何度原稿用紙を破った事か。
もう一度見直したいと思っていた。出来るなら自費出版でもと・・シナリオを小説にして。何時も思いながら出来なかった。
HPを開設し、長く埋もれていた『夢』をひっぱりだしてきた。「今更」って思う気持ち。「気恥ずかしい」という気持ち・・けっこう揺れた。
だけど、もう一度見てみたかった。
過去に拘るのではなく、これからの自分をみつめる為に。

「傘張りの記」はシナリオです。それをここで発表するのではありませんし、シナリオを書くつもりもありません。
あの頃のぼくはってことなんですが、「傘張りの記」がぼくに転機を与えてくれたこともあり、この題をつける事にしました。
いうなれば私的落書き帖です。えらそうに云えば限りなく物語に近いエッセイとでもいいましょうか。それとも私小説?
ってことで、全てが本当のことではありません。本当が80パーセントで嘘が20パーセント・・これはその時のエピソードによって数値も変わります。もしこれを読んでいただけるなら、「これは本当だ」「これはないだろう、嘘」ってぐあいに楽しんでください。

この年になって『自分探し』・・遅いって思われるかもですが、人はどんなに年を重ねても変わる事が出来ると思ってます。今よりもっと良い場所に・・そう思いませんか?



「傘張りの記」・・・ぼくが大学3年の時の作品です。この時期は就職とか卒業を嫌でも意識しないといけない時期でもあり、気分的に落ち着かない日々が続いてました。ちょうど秋の『新人シナリオコンクール」の応募締め切りもあって頭ん中はパニック。
シナリオもひどい状態。書き直さなければコンクールも卒業制作にもだせない。
そんな時に一冊の小説が救ってくれたのです。
兎に角書きあがったシナリオ・・自分の弱い部分を強調した今までのぼくのシナリオにはない作品になりました。
それが「傘張りの記」です。↑にもありますが『私小説』ですね。
評価は上々。特にコンクールでは最後までのこりました。
そういった意味であがきまわっていた時の作品でもあり、ぼくにとってとても大切なシナリオになりました。いわばこの「傘張りの記」はぼくの『もう一つの青春』でもあるのです。



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